建設業許可には、許可を受けるための要件として大きく6つの基準が設けられております。

  1. 適切に経営業務を行うことができる体制を有する者であること
  2. 専任の技術者を有していること
  3. 適切な社会保険に加入している者であること
  4. 請負契約を履行するに足る財産的基礎又は金銭的信用を有していること
  5. 請負契約に関して誠実性を有していること
  6. 欠格要件に該当しないこと

今回は「5.請負契約に関して誠実性を有していること」について詳しく解説していきます。

目次

1 建設業許可が誠実性を要求する理由

誠実であることはビジネスをするうえでは当然のことです。
ではなぜ建設業許可においてあえて誠実性を許可要件の1つとして要求しているのでしょうか。

それは、建設工事が請負から完了まで時間がかかり、1件あたりの単価が高額なことが理由となります。

上記契約上の特徴をもつ建設業者において取引の信用性を特に重要項目の1つとして強調するために建設業許可において誠実性を許可要件として求められています。

2 建設業許可のもとめる誠実性とは

建設業許可がもとめる誠実性については、過去に建築士法や宅地建物取引業法などの法律に関して不正や不誠実な行為をしたことで免許取取消しなどの行政処分をうけたことがあるかどうかで判断します。

上記事実がない場合は誠実性に関して問題ないと判断することができます。

では、もし行政処分を過去にうけてしまっている場合は建設業許可の取得が不可能なのでしょうか?
答えはノーです。

上記のような行政処分をうけたのち5年が経過するまでは、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をする恐れが明らかであるものと判断され建設業許可でもとめられる誠実性を否定されます。逆に言えば処分をうけてから5年が経過したあとであれば建設業許可を取得できる可能性があります。

建設業許可を取得するためには誠実性が担保されているかどうかを

3 建設業許可において誠実性をもとめられる対象

建設業許可において誠実性を求められる主体は、個人の場合と法人の場合とで示されてます。

個人の場合

個人事業主本人、支配人、令3条使用人 等

令3条使用人とは

具体的な例を挙げるなら支店長や営業部長など支店や営業所の長にあたる人のことです。契約締結の名義人となっているなど、代表取締役など社の代表者から一定の権限を委任された事実上の責任者がこれにあたります。

法人の場合

法人自体、取締役、執行役、顧問、相談役、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主 等